アマゾンマーケットプレイスは、FBA倉庫に商品を納品することで、購入者へスムーズに商品が届く仕組みが出来上がっています。
購入者からの返品や返金などの面倒な対応も全てアマゾンが請けてくれるので、出品者にとっても非常に便利なサービスです。
一方で そんな便利な環境を温床として、詐欺が横行しているのをご存知でしょうか?
私も過去には、新品のウォークマンがボロボロの中古にすり替えられて返品されたり、ゲームソフトの中身だけを抜き取られたりといった詐欺の被害を受けた経験があります。
しかし、被害をアマゾンに報告しても保証される可能性は低いです。
保証をうけるには、納品前の商品写真やシリアルナンバーの提示を求められるため、商品ごとにそのような情報まで管理することは不可能だからです。
また、顧客ファーストのアマゾンは、出品者に対しての対応は冷酷です。
いくら被害を受けたと騒ごうが、確かな証拠を提示しない限り一蹴されてしまいます。
今回は、Amazonマーケットプレイスではどのような詐欺の手口が横行しているのか、その対策と実際に遭った被害と補てんに至る経緯について紹介していきます。
この記事を参考に、あなたのビジネスにも役立ててしっかりと自衛策を立ててください。
目次
詐欺の様々な手口
① すり替え詐欺
FBA で販売している新品商品を購入して、中身を中古や不良品にすり替えて返品をする詐欺です。
最近は、高級ブランド品・食品・インクを扱っているセラーを対象に大きな被害が出ているという報告があります。
購入者は、すり替えて入手した商品を新品として販売していると推測され、非常に悪質な手口です。
② 代引きテロ
FBA で出品中の商品に代引きで注文が入って、住所不明で返品される手口です。
配達先が架空の住所や公園・コンビニなどになって いる場合が多いです。
この場合、最も気を付けたいのが、出荷後に注文キャンセルされた時の代引き手数料は出品者負担となることです。
もちろん売り上げにはなりませんが、代引き手数料だけが 337 円とられてしまうのです。
これが 100 個単位で被害に遭った場合は、数万円~数十万円の被害にもなりかねません。
③ 保留テロ
Amazon では決済を最長 2 週間、保留することができます。
注文保留の状態になると出品者はその商品を販売することができません。
この仕組みを悪用して、購入者が買えない状況を意図的に作り出し、自分の商品を売りぬくという姑息な手段です。
犯人は、コンビニ支払いを選択したり、上限金額に到達したクレジットカードを利用して決済を遅らせていると思われます。
有効な防止策
どれも非常な悪質な手口ですが、実際のところはいたちごっこになっています。
実際に警察へ通報したとしても、数万円程度の小さな被害額では本格的な捜査はされないからです。
これが理由で、ほとんどの出品者が泣き寝入りする状況です。
未然に防ぐためには、しっかりと自衛する必要があるということです。その有効な防止策について紹介していきます。
① 商品説明文でけん制する
商品説明文に、「納品前のシリアル番号や写真を控えているので、すり替え等の詐欺が行われた場合は即刻警察に連絡する」という旨を記載しましょう。
実際に通報するかは別として、けん制するには有効です。
② 代引き、コンビニ決済の無効化
セラーセントラルでこの設定を無効化することで、代引きテロと保留テロを防ぎます。
それでは、無効化の設定方法について説明していきます。
セラーセントラルにログインして、画面右上の「設定」「出品用アカウント情報」から「支払い方法の設定(コンビニ払い / 代金引換)」 を選択します。
支払い方法の設定で、以下のように無効になっている場合は、この画面で一度「有効」にしてください。
有効にします。
次に「在庫管理」から、代引き・コンビニ払いを無効化したい商品の「詳細の編集」を選択します。
「支払い方法のオプション」の「コンビニ決済」「代金引換」の チェックを外し、無効化に変更して保存して終了します。
流れとしては、セラーセントラルの全体設定で有効化して、対象の商品ごとに無効化していきます。
※全体設定で無効化する設定は、自己発送の商品のみが変更されるだけで、FBA 商品は有効化されたままになっているので注意してください
③ 購入数の上限数を制限する
「在庫管理」の対象商品「詳細の編集」から、「最大注文個数」を設定して、大量注文を制限します。
ただし、上限 1 個に制限しているにも関わらず、一つずつ執拗に注文が入るケースも報告されています。
この場合は、怪しい注文が入ったら、すぐにテクサポへ問い合わせて注文のキャンセルを依頼しましょう。
④ FBA を使わない
FBA が詐欺のターゲットになっているので、いっそのこと FBAを使わないで自己発送を使うという選択もありです。
ただし、利便性の高い FBA サービスを使わないのは不便になるので、高額商品などのみ自己発送にするのも有効策です。
すり替え詐欺の被害を補てんさせた方法
これまで有効な4つの防止策をお伝えしてきました。
まだ設定が済んでいない場合はすぐに対応しましょう。
しかし、この様な対策をしているにも関わらず先日 FBA で出品していた商品 19 点がすり替え詐欺に遭いました。。。
このケースでは、多少の時間はかかりましたが、結果的に Amazon からの補てんに成功したので、そのやり取りを公開します。
① 代引きテロが発生!?
FBA で出品中の商品 全在庫 19 個に代引き注文が入りました。
宛先がコンビニになっていたため、代引きテロの可能性があると判断して、すぐにテクサポに電話。
しかしキャンセルが追い付かずに発送されてしまいました。。。
② すり替え詐欺が発生!
出荷した全ての商品が不良品とのことで FBA へ返品されてきました。
返送された商品を見てビックリ!
美容顔パックを販売していたのですが、写真のようなビニール袋に入ったゴム紐?にすり替えられていました。丁寧にラベルまで張り替えています。
詐欺購入者から返品された謎の商品
③ テクサポとの闘い
すぐに、【返送された箱に同封されていた Amazon 伝票 】【返送されてきたモノの写真】を撮影してテクサポに保証の依頼をしました。
すると、アマゾンからいつもの定型文が返信されました。
アマゾンから追加情報の提出依頼文
1)返送依頼番号: セラーセントラルから調べて解決。
2)仕入れ時の書類、シリアル番号等: 電脳仕入れだったので、注文履歴の画面を撮影
3)商品ラベルの画像: 届いたすり替え商品の Lpn ラベルを剥がして商品ラベルを撮影
Amazon の指示通りに上記の情報を揃えて連絡をしました。
すると今度は以下の返信が。。。
今度は、納品した商品と返品された商品の違いが明確に分かる写真を送って来なさい、という内容でした。
そういわれても、シリアル番号などが無い商品だったので、納品前の写真など はもちろん撮影していません。。。
ちょっと困りましたが、フリマサイトで同じ商品が出品されていたので、画像を拝借して加工したものを提出しました 笑
フリマサイトからの商品画像を加工してアマゾンへ提出
すると、この翌日に Amazon から以下の返信がありました。
要するに、前日に送付した商品写真だけでは不十分なので、返品された 19 個すべてのすり替えられた商品の写真と、本人が仕入れた証明を提出しなさい、ということでした。
といことで、【返品されてきた全てのすり替え商品の写真】と【電脳仕入 れで私の購入者情報が表示されている画面】の2つを撮影して返信しました。
さらにこの翌日にアマゾンから返信メールがきました。
内容を読むと、補てん可として承認されたらしく、被害想定額として50787円で買い取ってもらえるという事でした!
ついに長い闘いの終止符が打たれました 笑
見事に補てんを勝ち取ることに成功しました!
まとめ
詐欺被害に対するアマゾン補てんに際して以下の情報が必須となります。
- 納品前の写真(フリマサイトの写真を流用)
- 自分が仕入れをした証明(今回は電脳仕入れ時の注文履歴の写真 で通りましたが、店舗仕入れの場合は納品書が必要です)
- 返送時の伝票
- 返送された商品画像(Lpn ラベル含む)
今回は比較的に高額な被害だったので Amazon とのやり取りを頑 張りましたが、やはり相応の労力が必要でした。
しかし、きちんと証拠を提示することで補てんされる結果に至ったので一安心です。
是非、この記事を参考にして詐欺被害を未然に防いでください。

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